今回はLINE通知メッセージについて取り上げます。
通常は企業側からユーザーに配信するにはLINE公式アカウントに登録してもらうことが必要になりますが、LINE通知メッセージを用いることで友達追加していないユーザーにもアクセスできます。
LINE通知メッセージがどのように利用されているのか見ていきましょう。
目次
- LINE通知メッセージについて
- 配信の仕組みについて
- LINE通知メッセージの特徴
- LINE通知メッセージの利用用途
- LINE通知メッセージ;活用事例
- 事例:ダイナテック株式会社
- 事例:琴平バス株式会社
- まとめ
LINE通知メッセージについて
LINE通知メッセージは、ユーザーのユーザーIDを知らなくても、ユーザーの電話番号を指定することで重要性や必要性の高いメッセージを送信できるサービスです。
また、配信されるLINE通知メッセージはLINEヤフー社がユーザーにとって有用かつ適切だと判断されたものに限定されるため、営利目的や広告目的のメッセージを送信することはできません。
ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加していなくても、LINE公式アカウントからメッセージを送信できます。
配信の仕組みについて
LINE通知メッセージの配信の仕組みは次のようになっています。
画像引用:https://www.linebiz.com/jp/column/service-information/20190426/
企業が保有するユーザーの電話番号を基に、送信リクエストをLINEのサーバーへ送信すると、その電話番号が登録されているユーザーのアカウントへLINE通知メッセージが送信されます。
企業から送信される電話番号はハッシュ化されており、メッセージ送信の宛先照合のためにのみ利用され、照合後は速やかに破棄します。
LINE通知メッセージの特徴
ユーザーにとって利便性の高いメッセージが配信されることで、ユーザーメリットに繋がります。そのため、公式アカウントを友達追加していないユーザーにもメッセージを配信できることが大きな特徴として挙げられます。
ただし、ユーザーがLINE通知メッセージを受信したくない場合は、設定から受信をOFFにすることができるため、強制的に送信することができるというものではありません。
LINE通知メッセージの送信には以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 企業から送信された電話番号と、同一の電話番号が登録されているLINEアカウントが存在する
- 当該LINEアカウントが、LINEアプリの設定で「LINE通知メッセージ」の受信を許可している
- 当該LINEアカウントが配信元企業のLINE公式アカウントをブロックしていない
以上の3つの条件を満たすことの他に、LINE通知メッセージを利用する上で注意すべき点が2点あります。
1点目は、審査が必要になるということです。
LINEヤフー株式会社の審査を通ってはじめてLINE通知メッセージを利用することができるため、UX審査を受ける必要があります。
2点目は、認定パートナーの選定が必要になるということです。
LINE通知メッセージのAPIに関しては、認定パートナーだけが扱うことができるため、パートナーへの登録が必要です。
LINE通知メッセージの利用用途
LINE通知メッセージの利用用途はLINEヤフー株式会社がユーザーにとって有益かつ適切だと判断されたものに限定されるため、以下のような利用用途があります。
- 予約・登録・申込完了通知
- 料金確定通知
- 購入完了・支払完了通知
- 配送・発送完了通知
- リマインド通知
- 障害通知 など…
上記にあげたように、利用用途は多岐にわたります。
具体的には、ECサイトでは、購入完了通知や発送通知といった購買に関係する通知を送ることができます。
メールだけでなく、LINEで通知をすることでユーザーの見落としをより防げるようになります。
LINE通知メッセージを利用することで、ユーザーはこれまでメールで受け取っていた情報をLINEで簡単に確認することができるようになります。
LINE通知メッセージ;活用事例
「LINE通知メッセージ」を利用することで、企業は以下のようなメリットを得ることができます。
- 顧客の利便性向上
- コスト削減
- 通知メッセージを契機に友達追加
- サービス認知の向上
上記のメリットを踏まえ、「LINE通知メッセージ」を活用した事例を紹介します。
事例:ダイナテック株式会社
ダイナテック株式会社では、「D-Lipeat(ディーリピート)」というソリューションとLINEを活用することで、宿泊施設とゲストのコミュニケーションの最適化を図りました。
「D-Lipeat(ディーリピート)」は、ホテル管理システムの顧客情報を活用し、顧客のカスタマージャーニー(旅マエ・旅ナカ・旅アト)に合わせ、顧客コミュニケーションを最適化することで、フロント業務の効率化やリピーターの促進を通じて自社予約を強化するソリューションです。
「D-Lipeat」では、「LINE通知メッセージ」を活用し、個別のアカウントへ友だち追加することなく、予約者への予約確認メッセージを送信することができました。
「LINE通知メッセージ」を取り入れることで、予約確認がLINE上で完結し、予約者はスマートフォンから事前チェックイン手続きができるため、予約者も施設スタッフも時間と手間が削減され、効率化・省力化に繋がりました。
また、滞在時には館内施設の利用促進を図った内容の配信などを行うことで、よりユーザーが快適に過ごせるようにしました。
ダイナテック株式会社では、予約確認という旅行前における配信だけでなく、旅行中・旅行後の配信を充実させることで、リピーターの獲得・公式アカウントの友達追加に繋げています。
事例:琴平バス株式会社
琴平バス株式会社では、ユーザーの予約忘れや乗車直前の問い合わせ数を減少させたいという課題がありました。
そこで、2021年10月にLINE公式アカウントの開設とともに「LINE通知メッセージ」を導入し、高速バスを予約したユーザーに対して乗車日のリマインド配信ができるよう仕組みを構築しました。
「LINE通知メッセージ」を利用したことで、予約忘れや問い合わせ数が減少するだけでなく、メッセージ画面で予約確認ができるため、現場のオペレーションも効率化されました。
さらに、琴平バス株式会社では、2か月で4,000人を超えるLINE公式アカウントの友達追加に成功し、ユーザー認知を高めることに繋がりました。
まとめ
今回はLINE通知メッセージについてまとめました。
ユーザーにとって有益な情報のみを配信できるサービスですが、UXを高めることで企業側からしても利点の生まれるものであることが分かったのではないでしょうか。
どのような情報を提供すべきかを検討し、企業のブランド認知に役立ててください。