WEBマーケティング 計測指標について

 こんにちは!春の気まぐれな天気に振り回されているヒカルです。

 今回は、前回のWEBマーケティングの個別施策や用いられるツールについてのブログでも取り上げたように、WEBマーケティングの大きな特徴である効果測定についてまとめていきます。

目次

  1. 広告効果測定の基本的な指標について
    • 広告効果測定指標
    • 広告指標の見方とは
  2. LTVについて
  3. 効果測定の方法とその指標について
    • Cookieとは
    • WEBビーコンとは
    • 計測タグとは
    • URLパラメーターとは
    • 広告の効果測定の流れとは
  4. まとめ

広告効果測定の基本的な指標について

 WEBマーケティングの大きな特徴として効果測定を挙げましたが、効果測定できることでどんな利点があると思いますか?

 効果測定できる、ということは、施策に対するユーザーの行動・反応がデータ化されて分かるということです。つまり、広告施策に対して精確な評価・改善をすることができ、広告への投資判断に繋がります。

 まず、広告効果測定に用いられる指標について見ていきます。

広告効果測定指標

・CTR(Click Through Rate):Click/Impression 

:インプレッション数(広告の表示回数)の内ユーザーがクリックした回数の割合

・CVR(Conversion Rate):CV/Click 

:「顧客転換率」と呼ばれます。サイト訪問者の数に対して、どれだけのユーザーがCVに至ったのかを示します。

・CPC(Cost Per Click):Cost(広告費)/Click 

:「クリック単価」と呼ばれます。クリック数に対する広告費を示します。

・CPA(Cost Per Action):Cost/CV 

:CV1件あたりにかかった広告費を示します。

・ROAS(Return On Advertising Spend):Sales(売上)/Cost

:「広告費用対効果」と呼ばれます。広告費1円当たりの売上額のことで、広告の回収率を示します。

・ROI(Return On Investment):Profit(利益)/Cost

「投資に対する利益」と呼ばれます。投資した広告費に対してどれだけ利益を得たのかを示します。

 以上6つの指標が、広告効果測定の際によく用いられます。

広告指標の見方とは

 ここで、これらの指標はどのように見ると良いと思いますか?

 まず、基本的にクリック単価(CPC)や顧客獲得単価(CPA)は低ければ低い方が良いとされます。ユーザーの1つの行動あたりの広告費が小さくなればなるほど、それだけ多くのユーザーの反応に繋がったことになります。

 一方で、CTRやCVR、ROI、ROASは大きければ大きいほど良いとされます。これらの指標は、値が大きければ大きいほど、広告効果があるとされます。

 指標の具体的な見方としては、CTRは広告の表示方法や形式の効果を見ることにつながり、CVRはWEBサイト運営の管理指標として見ることができます。

 ROIやROASの見方としては、ROIは広告費に対する利益、ROASは広告費に対する売上を表している。そのため、仮にROASが高い値を示している一方で、ROIが低い場合、広告費以外の費用が大きくなり利益が小さくなったという1つの原因が考えられます。

 以上のように、広告効果測定指標は、そのデータからユーザーの行動を分析したり、どこに要因があるのかを知ることができます。

 また、広告効果測定指標は、企業ごとのビジネスモデルによって重要視される指標が異なります。

 例として、WEBサイトのモデルの違いを用います。

 ECサイトのように、価格の異なる多種多様な商品を扱う場合、CVあたりの獲得単価の重要性は低くなります。そのため、売上ベースのROASや利益ベースのROIを指標とすることで、企業としての利益に繋がります。

 一方で、会員登録や資料請求などの問い合わせを主な目的にしていたり、取り扱う商品が少なく値段に差がないサイトでは、CVに対する売上や利益はほぼ等しくなります。

 そのため、よりCVを増やすために、CPAやCVRが重要な指標になってきます。

 つまり、企業ごとの目的に合わせた適切な指標を用いて、広告効果を判断することが重要になってきます。

LTVについて

 広告効果測定指標とは異なりますが、近年WEBマーケティングの新たな指標として「LTV」という指標があります。

 LTVが注目されるようになった背景として、近年の技術革新によって商品の差別化が困難になったことや、人口減少の影響から新規顧客獲得を目的としたマーケティングは費用対効果に合わないことが挙げられます。

 さらに、ニーズの多様化やWEBメディアの台頭により、マスメディアを利用したマスマーケティングの訴求力は低下し、顧客それぞれに合わせたOne to Oneマーケティングが必要になりました。

 そのため、新規顧客ではなく、既存顧客をターゲットにしたマーケティングが求められています。

 その1つの指標として、LTVがあります。

・LTV(Life Time Value) 購買単価×購買頻度×継続購買期間    

 :顧客生涯価値と呼ばれます。ある顧客が取引を開始してから終了するまでの期間に、自社に対してどれだけの利益をもたらしたのかを算出するための指標です。

 LTVは上記のように、購買状況から数値として求めることができますが、LTVを最大化させるためには、企業や製品に対する愛着や信頼といった顧客ロイヤリティを向上させることが必要となります。

 そのため、既存顧客に向けた広告効果も重要性を持っていると考えられます。

効果測定の方法とその指標について

 広告の効果測定に使われるデータはどのように集められていると思いますか?

 まず、効果測定に用いられる計測指標についてまとめていきます。今回取り上げる計測指標は、Cookie、WEBビーコン、計測タグ、URLパラメーターの4つになります。

Cookieとは

 普段、WEBサイトを見ている時、「Cookieを有効にしますか」という表示が出てきたことはありませんか?

 Cookieを有効にするにしても、Cookieがどのようなものなのか分からない人も多いのではないでしょうか。

 Cookieとは、WEBサイトやWEBサーバーにアクセスした人の情報をブラウザに一時的に保存するための仕組みのことです。Cookieでは閲覧したWEBサイト情報がブラウザに記録されます。

 Cookieが機能すると、どのようなことが起こるのでしょうか?

 Cookieに情報が保存されることで、同じWEBサイトにアクセスした時に、以前のアクセスデータに戻ることができるため、何度も同じ行動をする必要がなくなります。

 つまり、Cookieが発行されることにより、ユーザーのWEBサイト利用の快適さにつながったり、新規ユーザーとリピートユーザーのアクセスを区別したりすることができます。

 ただし、近年、プライバシーの観点からCookieへの規制の動きが強まっています。

WEBビーコンとは

 WEBビーコン、という単語は聞きなれないものだと思います。

 WEBビーコンは、WEBサイトに埋め込まれた小さな画像のことを指します。ユーザーには見えなくなっており、WEBサイトを構成するHTMLにWEBビーコンのタグを埋め込みます。

 そうすることで、ユーザー情報を発信することができます。

 WEBビーコンは外部のサーバーにも情報を発信できるため、外部サーバーに送られたユーザー情報を効果測定に利用できるのです。

計測タグとは

 計測タグは、その名の通り、アクセス計測するためのもので、計測ツールで発行され、自社サイトに設置することによって使用することができます。

 計測タグは、WEBサイトが読み込まれると、ツール元のサーバーにデータが送られ、計測できる仕組みになっています。

 そのため、広告をクリックして初めに見られるランディングページ(LP)や、購入や問い合わせが完了したページに計測タグを設置することで、広告からどれだけの人が訪れたのか、どれだけのコンバージョン(CV)につながったのかというデータが取れたりします。

URLパラメーターとは

 URLパラメーターとは、URLの末尾に付与されたサーバーで処理される変数のことを指します。

 URLパラメーターの利点として、条件付けされた変数を用いることで、条件ごとにWEBページを区別できることが挙げられます。

 実例として、ブランドサイトなどで、さまざまな商品が並べられている時、URLパラメーターを付与することで、どの商品が、どのような色合いが、どのサイズが見られているのかをデータとして知ることができます。

 つまり、URLパラメーターを付与することで、無数のコンテンツに対応することができ、コンテンツごとのアクセスなどを簡単に調べることができるようになります。

広告効果測定の流れとは

 次に、1例に過ぎませんが、広告効果測定の流れについてまとめます。

 まず、ユーザーが広告をクリックすると、ランディングページのURLとURLパラメーターが広告・WEBサーバーに送られ、WEBサイトが送られてきます。

 そして、表示されるWEBサイトに埋め込まれたWEBビーコンが外部サーバーに送られ、ユーザー情報がデータ化されます。

 ユーザーがWEBサイトでコンバージョンすると、コンバージョンサイトに移行し、URLパラメーターがCVサイトに埋め込まれたWEBビーコンと計測タグと共に外部・広告・WEBサーバーに送られ、ユーザーのアクセスが解析されます。

 Cookieはユーザビリティ向上のために使われることが多いため、広告の効果測定には、WEBビーコンや計測タグ、URLパラメーターが用いられることが多いです。

まとめ

 最初に紹介した広告効果測定指標は、WEBサイト・企業ごとの特徴に合わせて、重要視される指標が異なります。LTVのような考え方も生まれているため、状況に合わせた分析が必要になると考えられます。

 効果測定に用いられる計測指標についてもまとめましたが、これらの計測指標を用いて広告効果測定指標は導き出されています。

 次回は、計測指標によって集められたデータを見ることができる具体例として、Google Analyticsを取り上げます。GAの特徴や使い方についてまとめていきたいと思います。

 ご精読ありがとうございました。

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